その屋根工事ストップ!「屋根の工事をする前に読む本」

 

7.屋根工事で後悔しない為の10の自己防衛策
(信頼できる業者、職人さん選びのコツ)

いよいよ、この冊子の本題です。

信頼出きる業者、職人さん選びのコツについて解説いたします。

リフォーム工事を成功させる秘訣は「とにかく信頼のおける業者に
工事を頼む事」と、どの工事解説本にも必ず書いてあります。

しかし、いざ信頼のできる業者といわれても、どの業者が信頼の
おける業者かどうかを見分ける事は一般の方にとっては至難の技
だと思います。

いいえ、御安心下さい、この章を読んで、10の防衛策を参考に
してもらえれば、もう貴方様はさらに納得のいく業者を選定できる
肥えた目が自然と養われているはずです。

 

1.              地元業者を選ぶ事

屋根工事は天候に極めて左右される工事です。

住みながら工事するリフォーム工事の中でも常に天候の変化を
考えて工事の工程を進めて行かなければなりません。

工事途中、一転、にわかにかき雲って突然の雷雨、朝は穏やかな
日だったのに午後から風が強くなってきて大荒れの天気、降水確率
0
%と言っていたのに…1年の間に何度も経験しています。

私たちプロはいくら工事途中だからといって新たな雨漏りを発生
させる訳にはいきません。

良心的な職人ならば、そういう心意気を常に持って仕事しています。

しかし天候の変化は心意気だけでは、どうにもなりません。

臨機応変に現場の状況に応じてすぐ対応できる体制は、地元密着
でなければできません。

できれば工事現場から2時間以内の場所の工事業者を選びましょう。

それに何より、地元の業者で一番こわいのは悪い評判が立つ事です。

いい加減な工事をしていたらその土地ではもう営業できなくなります。

それは工事後のアフターサービスについても言えます、何かあったら
すぐに駈けつけてもらえる業者を選んでください。

 

2.              業者登録、認可の有無の確認

お客様の大切なお住いを守る重要な工事を担当する業者が、
なんの業界団体にも加盟していない業者は避けるべきです。

各団体には加盟登録するに当ってそれぞれの審査基準をもうけて
いますので、最低限の信用はそれで確認できます。

屋根工事の場合は建設業の都道府県知事許可か国土交通大臣許可
があれば信用度はかなり高いでしょう。

しかしそれにも落とし穴があるので注意して見てください。

例えば「建設業埼玉県知事許可(般-14)第123456号」と書いて
あった場合、括弧の中の数字(例では14)は年号を表します。

建設業の場合は5年更新が義務付けられていますので、現在の
年号より5年以上前の数字が書いてあった場合は、もう許可が
失効しています。

一般の人が分からないのを良い事に、とっくに失効した登録許可
を堂々とチラシや電話帳の広告に書いている業者を多く見かけ
ます。

無免許運転の車に、さあ乗ってくださいと宣伝しているような
もので、賢明な読者はそういう所を見ぬいてください。

 

3.              担当者が実際に屋根に上って調べましたか

実際に屋根に上がって現況や下地のチェックが重要です。

良心的な業者はお客様が納得して工事して頂けるように現状の
屋根の様子を写真に撮って報告し、その写真と報告書を提出する
はずです。

お客様が見えない所をお客様に替わって調べる事ですから、まず
初めに調査ありで、写真報告は当たり前の事なのですが。

屋根にも上がらないで、ただ外から見ただけで見積をして行く
業者は屋根の事をいい加減に考えています、当然屋根の面積も、
てきとうなので信用できません。

さらに現況写真をお客さんのお宅に置いて行かない業者や
また現状屋根の写真を撮らないで大掛りな工事を提案していく
業者も疑わしい業者です。

現状の写真を見て簡単な修理でも直るか、本格的に改修工事を
しなければならないかどうかの方針を検討して見積をして貰う事
が大切です。

 

4.              安易な点検と安易な改修だけの提案を受けていませんか

工事を頼むお客様が、最初から予算がないから、とにかく安く
やってほしいと言いすぎると、担当者がとにかく簡単な工事を
提案してしまう事があります。

安く工事をしたいという気持ちは解りますがいずれにせよ、屋根
の状況をよく見てから工事の内容を検討するべきで、改修プラン
23通りの方法を提案してくれる業者を選びましょう。

またリフォームの担当者が余り屋根の事を知らない場合に多い
のもこのパターンです。

ささっと見て、いかにも判ったかのように、なんでも簡単な補修
で済まそうとします、いくら低額でも、お金も時間ももったい
ないのでかかわらないようにしましょう。

突貫の緊急止水工事は、あくまで一時凌ぎと考えてください。

後に再度雨漏りしてしまい、くわしく点検して見ると、雨水の
流れが変わっただけだったり、塗装のできないシリコンコー
キングをベタベタ塗っていたりして、かえって何もしないで
いた方が改修工事も簡単にできた事が多々あります。

特に注意したいのは、低価格な補修工事だけを23倍の金額
(それでも取替えの半分位の金額なので安く感じる)で施工する
悪徳業者がいるので、補修工事でも2社以上の見積をとって比べ
てください。

 

5.              工事の見積書を必ず書いてもらう事

本格的な改修工事ならもちろん、簡単な補修工事でも必ず見積
書を書いてもらいましょう。

見積書はしっかりした工事をする目安です、屋根工事では表面に
出ない下地工事も重要なのです。

特に下地工事では既存屋根材を撤去して工事するのか下地の
木材(野地板)は張り替えるのかどうか、防水紙はどんな物を
使うのかが分からない見積書は後々トラブルの元で、全く意味が
ありません。

工事内容が見えない手抜き見積書は手抜き工事その物だと思って
ください。

いくら金額が安くても、屋根工事1式○○円とか屋根の施工面積
の数量が入ってない見積書を出す業者には工事を頼んではいけ
ません。

工事の明細に数量や金額が入った見積書を出す業者の見積書
2
社以上とって検討してください。

 

6.              工事の保証書が出るか確認しておく事

保証書には屋根材メーカーが発行する製品保証と施工会社が
発行する工事保証とがあります。

リフォーム工事は製品をそれぞれの家に適正に取り付けて、初め
て本来の性能が発揮できます。

ですから、製品保証も大切ですが雨漏りなどは、工事保証の方が
もっと重要だという事が分かります。

15年保証(錆びが出ない)、30年保証(錆びて穴が空かない)
とか製品保証だけを強調している業者は少し変です。

責任施工を打ち出している所や工事保証書の出る業者を選びま
しょう。

また工事中の落下事故(人のけがはもちろん、釘が落ちて隣の
車を傷つけた等、発注者の負担になる場合があります)が極めて
起こり易い環境にある屋根工事なのですが、中には工事保険に
加入していない業者もあるので、工事事故賠償保険へ加入して
いるかどうかを確認する事が必要です。

 

7.              使用する屋根材の勾配基準を調べる事

工務店やリフォーム会社の担当者でさえ、どの屋根材がどの位
の勾配で雨仕舞い性能(雨水が規定の風速でも廻り込みしない
性能)を発揮できるか知らない事が多いので、屋根材のカタログ
やメーカーの技術者に聞いて確かめる事。

営業の人が強く勧めるからと言っても、既存屋根勾配に適応
ない屋根材は絶対に使ってはいけません。

 

8.              屋根材の重量を聞いて今の柱や屋根下地の強度を確かめる事

特に葺き替えの場合、最近流行の葺き替え用屋根材は既存の
屋根材をはがさないで工事する場合が多く、葺き替えた後になってから、
過度の重量により下地のうねりや、柱への加重負担で
雨戸サッシやふすまの戸が閉まらなくなってしまったなどの事例
があります。

下地材の思わぬ劣化などがあった場合はさらにひどい事が予想
されます。

営業担当者の安易な「大丈夫、大丈夫」の言葉には注意しま
しょう。

万一、雨漏りが1年以上前から発生していた場合には、屋根裏
を見て確かめたりして、下地をチェックしてもらいましょう。

家屋の耐震性の事を考えると屋根の重量は軽い方が優れている
ので予算が掛かる事ですが、葺き替えの場合はなるべく既存屋根
材を剥がして工事する事をお勧めします。

 

9.              施工中の写真を撮ってもらうように頼む事。

自分自身で写真を写せれば一番良いのですが、屋根は危険なの
で素人の方は絶対に屋根に登らない方が良いでしょう。

そこで工事着工当日に、レンズ付きフィルムを職人さんに渡して
工事の写真を撮ってもらうように頼む事。

職人さんも写真を撮る事になると自然に丁寧な仕事をします。

万一手抜き工事でもしようものなら、そのまま証拠写真に
なってしまいます。

無用なトラブルを避ける為、汚れるのと落として壊されるおそれ
があるので、高級なカメラは渡さないでください。

最初から、ちゃんと工程の分かる施工写真を撮って提出する業者
を選べば合格です。

 

10.          担当者の人柄と技術水準のチェック

新築住宅で成功させる工事の秘訣というのは現場監督の人柄と
技術水準の高さによる事が大きいと言われています。

屋根工事にもそれが言えます、現場監督の力量でその工事がどの
位のレベルの仕事をするかが判るといっても過言ではないで
しょう。

一般の方が直接見えない個所を工事する事に対して常に完璧な
工事をしなければ、すぐ雨漏れを起してしまう個所なので絶対に
ごまかしは効きません。

見分ける秘訣は工事契約する前に、担当の監督さんに工事の明細
について細かく質問して見ましょう、誠意ある説明をして納得
できたらまず大丈夫でしょう。

要注意なのが次のようなタイプです。

@      技術的な質問に対して余り答えずに大丈夫とだけしか言わ
ない人。

A      業務遂行に必要な資格を何も取得していない人。

B      太っ腹で細かい事は気にしないと、大言壮語する人。

C      知らないのに知っている振りをする人。

D      不都合やトラブルが起きた時、素直に謝る事ができない人。

E      荒っぽい印象や乱暴な印象を受けてしまう人。

万一、このいずれかに当てはまるような監督さんだったら、
めんどうでも別の業者をさがした方が賢明かもしれません。

 

 

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